自称癒し系ストレスメーカー “Breath of Light”
このパズルを解くアプローチとして選べるのは、微調整か総当たりかの二択である。
睡蓮から絶え間なく放たれるエネルギーが他の花にも流れ込むよう、流れを変える場を展開する石を配置してその流れを作るパズル。
石は位置や向きが固定されたものや場の範囲を変えられるものなど様々である。ただしどれもあくまで場でしかないので、指す向きの通りに方向を変えるわけではない。
少数の石であっても、うまく作用が噛み合えばその数よりずっと多い花にエネルギーを流し込むことだって可能である。それが非線形な配置であったとしてもだ。
考えるまでもない問題も多いが、そういう配置を探る必要のある問題も鑑みればこのゲームは十分にパズルだと言える。
しかしながら、このパズルは柔らかな見た目とは裏腹に判定が厳しいせいで、微調整を散々やらされることとなる。それでいて結果は即時に反映されないので、調整が細かくなるほど無駄に待たされるいう負のループを生み出している。
石がどれだけ流れに作用するかも明確でなく、特に円形の場に関してはどこにどの方向でいるとどれだけその方向を歪めるか、その力加減に関して酷く曖昧である。ゆえに微調整に頼らざるを得ず、このテンポの悪さを回避することはできない。
また場の作用が曖昧であるがゆえに、少数の石で複数の花にエネルギーを流す配置を見つけるアプローチはランダムな総当たりになってしまう。
反射鏡のギミックで素直に結果を返す素晴らしさに触れると、余計に石のシステムがくだらなくなってしまう。
それでも微調整は避けられないあたり、石を取り払ってもレベルデザインが微調整から離れることはないように思える。
Breath of Light is a beautiful and meditative puzzle game featuring a hypnotic soundscape. […] It is a relaxing puzzle game that's a little Zen garden, a little lotus flower and lot of flowing good vibes.
本来のコンセプトを考えると十分にクソゲーと呼べる作品だろう。果てしない微調整と総当たりが続くだけの神経質にならざるを得ないパズルを、一体どうして寛ぎながら解けるというのか……。