m-log
パズルゲーム感想アーカイブ

めくるめくめくりめぐって “KAMI 2”

長い長い退屈の狭間に、偶然と天才が出会うことでふと凶悪な問題が現れることがある。
ここはKamiの棲まう場所。

連続面を塗り潰していきながら盤面を一色に染め上げるパズル。
2と銘打ってるだけあって前作が存在するのだがマヌケは未プレイである。

塗り潰し回数が無制限だと違う面を塗り潰していくだけで解けてしまうため、手数制限を設けることでパズルとして成立させているが、それでもなお簡単だった。
基本的に「残り手数 = 色数」の時の盤面を考えればいいので、そこから逆算していくと取れる手立ては大抵の場合は多くない。お仕着せの問題は早々に解けてしまった。

この作品にはオリジナル問題作成と共有の機能があるので、全実績解除までをプレイ時間に数えるなら、ボリュームはその分厚くなる。
しかしながら、最小手数を定めてくれるソルバーはなく、今まで解いたプレイヤーの最小手数という形で更新するしかないため、オリジナルの問題は総じて手数設定が甘くなってしまう。手数が多い問題は作りたてで更新が甘いか、あるいは乱雑に色をばら撒いて無駄に手数を増やしただけかのどちらかしかない。

そんな退屈な問題が広がる砂漠の中、時として難問という名の金の粒が見つかることがある。

(KAMI 2: PLAYER CREATIONS) グラデーションの中のモザイクが連鎖を断ち切ってしまうため、安易な手数の減少が狙えない難問
by Lavinia
(KAMI 2: PLAYER CREATIONS) 一見四角のパターン状だが、通路の制限によって全体的に色が染めにくく、アプローチ変更の効果が実感しにくい難問
by Guest XzxpLc6KK7

この2問については、本当に長いこと悩まされた。他にも手こずった問題はいくつかあるのだが、悩んだ時間でいえばこの2問には遠く及ばない。
作った人が狙っていたのか、偶然にも天才的な1手を詰めてみせた強者がいたからか……おそらく後者だろうが、本当にごくまれに、こういった珠玉の問題に出会うことがある。
わずかな難問のためだけに退屈な千の塗り絵で暇を潰すのはあまりにも割に合わないが、それでもここに奇跡の難問が眠っているのは確かである。

関連項目

KAMIシリーズ作品