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パズルゲーム感想アーカイブ

くっつき虫にイライラ “Prickle”

主人公のハリネズミに名前をつけるなら「オナモミ」で決まりだな。

黒いハリネズミを操作して、盤面上の他のハリネズミを全てくっつけてゴールを目指すグリッド制パズル。
ハリネズミ同士は一度隣接するとくっついて離れなくなる。操作キャラクターが向きを変えると、くっついたハリネズミ達もまとめて回転する。
クリアするためには、誰にどの方向からくっつくか、ゴールに至るまでの通路の幅、最終的にどのような形にするかなどを考えなければならない。

問題集は四季をテーマにした4種類があり各12問、ただでさえ数が少ないうえに序盤はワンパターンで簡単という有様だが、複雑さを増すまでそう時間はかからない。各季節の終盤の問題はどれも歯応えのあるものばかりだ。
ハリネズミが伸びていき回転が通らなくなる、くっつき方で回転軸が変わる、くっついた後来た道を戻れなくなるなど、もどかしさの詰まった一筋縄ではいかないレベルデザインが待ち受けている。

しかしながら、歯応えこそあれどあまり楽しめなかった。私がそもそもグリッド制の四角い盤面にラジアルの円形のルールを持ち込まれることを好まないというのもあるが、一番は回せるか否かがわかりにくいことにある。
ものには幅がある以上、回転にはマージンが必要だという理屈は理解できても、実際にどこからが通りどこからが通らなくなるのかは動かしてみなければわからない。そして、回せないということはそれ以上の試行が妨げられるため、ただ回せないという事実以上に大きなストレスとなる。
結果的に、マヌケのアプローチは偶然が解決するのを待つやり方に収束した。乱雑に回しながら勝手に嵌るのを待つという、身も蓋もないやり方だ。
そのような解き方で解けた喜びなどあるはずもなく、特に回転および収納可能な形状の探索をレベルデザインの軸とした問題の疲労は凄まじいものだった。

解いた後から振り返ってみれば、あと1マスが遠い状況を散りばめた、考え抜かれたレベルデザインであることはわかる。だがどんなに練られていても、結果的に思考をかなぐり捨てた雑な発散で片付けたくなる気持ちになってしまっては元も子もない。
マヌケはマヌケゆえに、ミスを試行を通さない形で阻むパズルはどんなに美しくとも楽しくはなく苦手なのだ。

余談だが、レベルデザインが練られていたことはわかったものの、パズルを飾るデザインになぜハリネズミを選んだのかはわからなかった。
回転がルールの中心である以上、歩行と回転を動作として分ける理屈はわかるのだが、向きを変えずにハリネズミ同士がくっついたまま横歩きする様はどうにも不自然に映る。
ハリネズミや松ぼっくりはなぜ互いに勝手にくっつくのか?ハリネズミ達はなぜ一塊でゴールを目指すのか?謎である。