小さな盤面の大きな絡み合い “Union”
一目見て放り投げたくなるような複雑な絡まりこそ配線パズルの醍醐味である。この紐は甘くない。
同じマークだけを通るように配線を分けていく配線パズル。
グリッド制の盤面に配線が敷き詰められていて、操作可能な配線はパネルとなっている。円形は90°回転、四角形は位置交換、角丸四角形はマークの種類を切り替えることができる。
全ての問題に1本の配線も余さず使用した綺麗な模範解答が用意されているが、クリア条件は連続線の中に同じマークだけを二個以上含ませるように全てのマークを仕分けることなので、線の両端がぶつ切りだったり、余りの配線が出たりしても条件さえ満たせばクリアになる。
汚い解答を許容している配線パズルは珍しいと言えるが、大目に見てもらえるのはこのパズルが歯応えを持っているからこそだろう。この手のパズルは逆算が簡単で手応えがないということが多々あるが、このパズルは甘くない。
複数の配線が跨っていたり、マークの組み合わせなどで見かけの選択肢が広いため、確定できるパネルをきちんと埋めていかないと、絞りきれない状態での総当たりを余儀なくされてしまう。
盤面のサイズは小さくルールはシンプルだが、そこに詰まっているのは放り投げたくなるような分岐の多さであり、まさしく配線パズルの醍醐味そのものである。
問題数は全部で50問と少ないが密度は十分だ。
見た目は小粒ながらも一筋縄ではいかないパズルだった。始点や終点などを縛らずパネルの位置を一部交換可能にして幅を持たせたことが選択肢の広さに繋がっていたように思う。
欲を言えば確定したパネルを固定する機能が欲しかったが、このパズルの場合は仮定法のような使われ方がされてしまうだろうか。難しいところである。