チキチキおもちゃ大騒動 “Chloe Puzzle Game”
遊ぶ時はいつだって皆本気!だから容赦なく轢き殺すし銃だってぶっ放す!
だけど平気、おもちゃだから。
主人公・Chloeを操作して、敵を避けながらゴールを目指すターン制パズル。
おもちゃの世界がモチーフになっているからだろうか、それぞれのおもちゃに応じたギミックが存在していて、このパズルをバラエティ豊かにしている。
雑然とした遊び場の世界は見た目だけだとパズルとしてどんな内容なのかが伝わりにくいが、その内容はやれば簡単に理解できる。
このパズルは敵の同士討ちが存在することが特徴となっている。Chloeが敵にぶつかるとミスになってしまうように、敵もまた敵同士でぶつかると相打ちになって消えてしまうのだ。
銃弾飛び交い猫も兎も容赦なく踏んづけられる世界と書くと少々バイオレンスに聞こえるが、このファンシーなおもちゃの遊び場ではその奔放さは見ていて爽快感すらある。
敵のおもちゃは一定のルートを徘徊するものから追跡してくるもの、指定の範囲上を監視するものなど、彼らは避けるものよりも道を塞ぐものとしての性質が色濃い。
それゆえか、このパズルはターン制パズルではあるが、本質的には一筆書きパズルに近い。ターン制パズルならではの偶奇性はそのためのアクセントとして混ぜ込まれている。
問題は概ね簡単でレベルデザインも余白が広く感じられるものの、要所要所が引き締められているので意外な歯応えもある。
小粒の良作だったが、惜しむらくは見た目のわかりにくさとボリュームの薄さだろうか。問題数は全部で72問と物足りなさを感じてしまった。
だが、それはこのパズルにもっと遊びたいと思えたほどの魅力が溢れていたということでもある。遊戯場が拡張されないものだろうか。