スキップ・スライダー “Fio - Figure It Out!”
全てになれるがゆえに自在に操れるもの。パラメータの調整の一切を無に帰すもの。
それが1。それが単位元の強さ。

トレーラーが見つからなかったため、プレスキットの画像をもって代わりとした。
移動距離が刻印されたブロックをスライドするパズルで、ブロックごとに1回スライドした時の移動距離が異なるのが特徴である。
有彩色付きの刻印を持つブロックを同じ色のゴールまで運ぶことでクリアとなる。
しかしながら、このパズルはそのルールを完全に持て余してしまっている。確かにブロックの移動距離と盤面上の通り道とを揃えるパラメータ合わせのような趣向もあるのだが、壁にぶつかれば跳ね返ることなく止まるという性質と、1のブロックの頻出と余白の広さによってまるで機能していない。
どんなにずれた移動距離持ちが集っていても移動距離が噛み合わずに堂々巡りしたりすることは全くなく、とりあえず1のブロックを持ってくるか、なければ壁に当てるかのどちらかで解決する。
レベルデザイン以上に酷いのがUIである。中には全体が連動して動く問題もあるのだが、デザインの描き分けがないため対応関係どころか連動するか否かすらも不明という始末である。
60問という少ない問題数でありながらギミックの増えるペースは速くルールは多いが、レベルデザインへの取り入れ方だけでなくその説明すらも放棄されているのを見ると、ルールを無理に広げず絞るべきだったのではないかと思わざるを得ない。
あれもこれもと欲張った結果全てが中途半端になる好例だろう。
パズルの出来を決めるのはルールではなくレベルデザインだが、それ以前のこととしてルールの説明からしてうまくいっていないのだから、説明すらもままならないルールを考察できるわけもなく、単調なパズルになるのも道理である。