色環るスライドパズル “Huetopia”
パズルの奴隷の理想郷には程遠いが、惑うには十分な場所。
長さ2のブロックによるスライドパズル。全てのブロックには色が付いていて、背景の色に合うようにブロックを並べればクリアとなる。
基本的にスライドは縦横の伸びた方向にしかできないが、スペースがあれば時計回りに90°ブロックを回転させることができる。
どの問題も余白が削られているので、自由な移動ができずもどかしさは十分にあるように見えるが、しかしながら実際に達成感まで繋がった問題は少なかった。乱雑に散らばったブロックをとりあえず整理する段階で解けてしまったり、意図せぬタイミングで解ける形ができあがってしまったり、解いたというよりも勝手に解けてしまったかのような呆気なさがある。
ブロックの位置を背景色で指定しているためブロックの区別が弱いのだが、それを制限しきれていないまま猶予として残ってしまっている。
余白はないといえど、必要最小限まで削れる問題は厳選されていない。
ただし、少ないというだけで達成感を得られる問題は確かに存在していて、そういった問題ではこのパズルが持つポテンシャルを十分に感じることができる。
このパズルは問題のばらつきが大きいだけで単調なわけではない。余白のないスライドパズルとして、何も考えずに動かすだけで解けるほど甘くはない。
余白のないパズルにおける1マスの違いがもたらす大きな差を実感できる面白いパズルだった。
余白がゼロでも必要最小限でなければ自由は意外と広いものらしい。