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パズルゲーム感想アーカイブ

フリッパーの暗い海 “Logi.”

考えることよりも見つけることが正攻法の作品もパズルと呼べるのか否か?
必ずしもそうとは限らないが、時には呼べることもあるだろう。

ひたすら真っ直ぐに飛ぶボールがゴール地点まで辿り着けるようにフリッパーの向きを合わせるパズル。
ボールは障害物に当たると光のごとく入射角と等しい角度でその向きを変えるが、その角度は45°または90°だけなので考えるべき方向はシンプルに上下左右に制限されている。

このパズルは難易度を上げる方法としてダミールートを増やすようなレベルデザインの組み方をしているのだが、無節操にフリッパーを並べているためか盤面が乱雑である。
あくまでも見た目が綺麗ではないだけで、中身は意外としっかり作られている。一見するとどちらからでもクリアできそうな、逆算の分岐が増えるようなフリッパーの置き方をしていること、ボールを当てると起動するギミックによってスタートからの順を追った把握が必要になることなど、このパズルは見た目に反してほどきにくいものとなっている。

とはいえ、それは丁寧な逆算をした場合の話である。問題を覆う上下左右に枠はなく盤外は一律でミス扱いなため向きが自明なフリッパーが出てしまうし、増やせる分岐の数にも限りがあるため、適当に打って動きを見てみてあたりを付けるような解き方で済んでしまうことは多い。
あたりが付かないような問題や一見それっぽい形が実は落とし穴になっている問題、正解の筋道が細い問題もいくつかあるが、進行度と難易度の関係を見るに、それらは狙って作ったというよりは偶然難しい問題が出来上がったというのが正しい気がする。

適当な解き方で済むパズルとはいえど、何も考えずとも解けるわけではないあたり、量は少ないがおつまみパズルにちょうどいいのではないだろうか。見方を変えれば分岐の進行方向を決めて勝手に解かせる迷路とみなせなくもないし、ボールがポンポンと小気味よく跳ねる様はからくり装置のようで、単に見ているだけでも楽しい。