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パズルゲーム感想アーカイブ

交差する理屈と直感 “Logic Path”

なんとなくで解けてしまうパズルなんて、いくら難問であろうとも達成感などありはしない。

面上に設置された全ての白いキューブが一定のルールの下で一続きとなるようにブロックを繋げる配線パズル。
ブロック上に打たれた白い点をタップするとこれを回転軸として90°回転する他、タップすることで位置がスライドしたりワープするギミックが存在する。

肝心のクリア条件となる一続きの定義がこのパズルの最もややこしい点である。
言葉にしてしまえば「同一平面は全て一続き」「別の平面への移動は直進のみ可能」の二つだけなのだが、後者に関して明確なルールを学べるチュートリアルはさっぱりない上、複数ブロックが並んで幅が広くなった平面上での直進の定義に関する説明は全くない。

それっぽく見えるよういたずらにくるくる回しているうちにうっかり解けてしまうことが多かったため、一続きのルールに関して曖昧なまま解き続けることとなってしまった。かといって理解した上でならばこのパズルが面白くなるのかといえばそうとも思えないが。
真面目に逆算しながら繋げていくよりも、それっぽく見えるように成形してから手直ししていく解き方のほうがずっと早い。
結果的にこのパズルは直感的に理解しづらいルールを直感的に解くという、達成感の得にくいアンバランスな構成となってしまっている。

ただでさえわかりにくいパズルなのに手数評価が付いていてさらにわけがわからないのだが、当然面白さに還元されることはなくただただ作業を水増しするだけとなっている。
設定手数がきついわけではないのでクリアの形を覚えてなぞるだけでいいのは幸か不幸か……いずれにしろないほうがマシではあったが。
ルールの関係上別解がいくらでも作れるのだから、どうせならそっちを探させるような作りにしたほうがよかったんじゃないか?

最後まで解ききっても全くスッキリしない、本当によくわからない作品だった。解けないことにもやもやすることは多々あれど、謎解きでもないパズルで解けたことにもやもやするとは思わなかった。

追記

どうやら “Playond” というサブスクリプションにこの作品が売り渡されたらしく、その影響かアップデート後にセーブデータが消滅。
なぜこんなゴミみたいな取引先と手を組んでしまったのかとか、UI劣化してるじゃないかとか色々と言いたい文句はあるが、それとは関係なく今回のアップデートで変わったことについて気になったことが一つある。それはブラフとして置かれていたクリアに一切不要なブロックが全て取り除かれていたことだ。
誰が撤去を決めたのかは知らないが、改めて解き直すとこれがないだけでだいぶ簡単になるように感じた。しかしながら、直感的に理解しづらいルールで直感的に解くという構成そのものが改善されたわけではないというのがこのパズルの限界を示しているような気がする。