3.5次元の連続線 “Optica”

一筆書きパズルで巻き戻した線の長さを測る行為に一体何の意味があるんだ？

等角投影に従い立体に見えるように並んだパネルを一筆書きで塗り潰していくパズル。
問題にはいくつかの視点が設定されていて、切り替えると隠れていた別のパネルが現れたり、パネルの隣接が変化したりする。
定められた2点を始点および終点として、視点を切り替えながら一筆書きの線を伸ばしていき、全てのパネル上を通過するとクリアとなる。

立体上を一筆書きするかのような直感的デザインでありながら、錯視のような直感からのずらしを利用したパズルということで 奇想パズルゲーム (a mind-bending puzzle game of logic and illusion) をキャッチコピーとしているが、訳の正確性はともかくとして、いずれにしろ誇大表現であるように見える。
単純化してしまえば視点という名のレイヤーを切り替えながら解く一筆書きパズルというだけのことで、特段ユニークな内容というわけでもない。
視点ごとの隣接はその視点に合わせて確かめるしかなく、さながら神経衰弱のようでもある。

このパズルは始点終点の組み合わせを増やしたり、パネルをずらすことで線の交差をさせたりとねじれを作ろうとしていたのだろうが、立体のようにパネルを並べてしまっている関係で経路の選択肢が多く、概ね正解の幅が広く手応えがなかった。
わずかながら筋道の狭い難問も存在するが、ルールやシステムの中途半端さを鑑みると、狙って作ったというよりは偶然難しい問題ができただけのように見える。

このパズルはなぜか引き直した線の長さを測っていて、アンドゥ未使用で実績となるのだが、採用した意図が全くわからない。
また、片方の始点から線を引き始めてしまうともう片方は終点として固定されてしまい、両側から線を伸ばして繋げることができないのが不便に感じた。

等角投影へのこだわりをやめればこのパズルはいくらでも難しくなることができるだろうが、一目で確認できない神経衰弱システムとアンドゥ測定機能がある以上どんなに難問があろうとやる気は起きなかっただろう。簡単で助かったと言うべきか。