右手法信奉者の小さな環状迷路 “SPHAZE”
自称 “Sci-fi puzzle game”。
ロボットがメインキャラクターなだけでパズル自体にSF要素は一切存在しないように思うのだが、よくよく考えるとマヌケもまたSFパズルの定義や具体例を答えることができないでいる。
右手法に従って自動で動くロボット達をゴールまで導くパズル。
ロボットの通り道はゴールを中心として外周を取り囲むように2段階の道が沿っていて、それぞれ回すことで接続先を変えることができる。
外周は終始2段組で変わることはないが、ルールやギミックの追加は豊富にある。
パズルゲームではギミックを足すとギミックに引っ張られてレベルデザインが粗末になるということがしばしばあり、このパズルもまたそうなってしまっている問題が存在してはいるが、大半の問題はしっかりとパズルのピースとしてねじれをもたらすように組み込まれている。
右手法に従うという基本ルールを十分に生かしていて、ギミックを組み合わせることで左手に鞍替えしたくなるような分岐点が盤面のあちこちに存在する。
時間の流れは一時停止すらできる他、ロボットの軌跡などのプレビュー機能もあり、自動で動くキャラクターの誘導という忙しくなりがちな内容に対して、UIはパズルとしてプレイヤーが考えやすいように最大限の工夫が施されている。
ただ、アクションのレベルデザインとしての自動移動は中途半端なように感じた。
スナップの利かない道に合わせたり、ロボットの種類と速度差を利用した方向転換など、アクションをフルに利用した枠組もあるが、時間の速度調整が親切すぎる割には巻き戻しがないため、アクションに振り切ってパズルでなくなってしまうか、あるいはゴリ押しを通す隙となるかのどちらかにしかなっていないように見えた。
わざわざ自動移動の距離をマスで区切らずに経過時間で小刻みに測る必要性はあったのだろうか?
背景の無駄な作り込みやアクションの中途半端さに何かしらの迷走を邪推せずにはいられないが、パズルとしてのレベルデザインのよさに嘘偽りはない。
盤面が終始小さいままなためねじれる量にも限界があり簡単ではあったが、サイズの割にはよく練られたパズルだった。