アクティブ・デコレーション “Active Neurons 2”
マヌケの不活性な頭でもわかってしまったこと。この世界では見映えこそが優先されるのだということ。
滑る床のパズル “Active Neurons” のシリーズ2作目。
前作と比べるとギミックの種類が豊富になった。中には存在意義が疑わしいものもあるが、概ねパズルを複雑にするものなので順当に進化を遂げた作品だと言える。
前作は行き止まりによるレベルデザインによって酷く単調になってしまっていたが、今作ではその傾向は薄れている。依然として赤ブロックは使われているが、今作では行き止まりとしてではなく、通り道を塞ぎぶつけるものを調達させるように設置されている。
今作では見かけの選択肢を増やすというダミーに頼ったレベルデザインが目立つ。全てのギミックがクリアまでの過程で役割を持つのではなく、どれを使うか、どこを通るかを考えさせるようになっている。
結果として無駄が多くごちゃついたレベルデザインになってしまっていたが、少なくとも前作よりはマシになったと言える。
しかしながら、今作のレベルデザインが単調を脱したわけではない。
押せる物体のある滑る床のパズルならば、ある物体を複数の過程を経て遠くの物体に作用させるというような、解決すべき事柄の層を求めたくなるのだが、そういった手続きが求められることは今作でもなかった。
物体が作用させるべき対象は大体その近辺にあるので、ゆえにそれらは物理的な足止めとしてしか働かず、経路の再考を求めたりなどといった精神的な足止めには至らない。
クリアまでにかかる手順は長くても、それらはただ解決すべき事柄の組が独立したものを繋げただけでしかなく、事柄同士に干渉はない。
意味もなくエリア分けされていたり、ダミーとしてすらも機能していない意味のないギミックも珍しくない始末である。
だがそれ以上に、今作は中身のない外面の変化が目立つ。
ブロックの発光はより煌びやかに、BGMは波形付きでより豪華に、クリア時の演出はより盛大になっているが、一体何の意味があるのだろうか?クリア時なんかはテンポが悪化している始末である。
レベルデザインの無駄の多さもこの意味のない見映えへのこだわりが悪さしているのではないかと疑わずにはいられない。
今作も前作と変わらず惰性で解くものでしかないパズルだった。
知らない間に3まで出ていたこのシリーズだが、2の出来を見ていると3もやりたいとは思えない。これだけ短いスパンだと粗製濫造の予感しかしないし、見映えへの異常なこだわりようを見ていると、その暴走を再度見る羽目になるのではないかという疑いが拭えない。