全て察しろ “flocks”
どんなゲーム?——察しろ。
おもしろい?——察しろ。
問題ごとに定められた行動を取ることでクリアとなるゲーム。制作者の言葉を借りるなら “scenario” に沿うゲームである。
例えば、最初の問題は林の中を舞台として石で囲まれた空間と何本かの薪、そして着火スイッチがあるが、これはつまり焚き火を完成させればクリアとなる。
プレイヤーが操作するのは何人かのグループ、つまり “flocks” である。一人ずつ切り離して別々に行動させたり、まとめて動かして大きな物体を持ち運んだりと役割分担が求められる。
また、彼らは物理的にも柔軟で丸まることでボールになることができる。わざわざ階段や坂道を用意せずとも投げ込むことで高台に登らせたりなど強引な手法を取ることもできる。
だがその内容はパズルではない。作品の説明文の冒頭で Flocks is not just another puzzler.
と述べているが、完全に自称パズルである。
群れの操作にストラテジーと呼べるほどの複雑な戦略性はなく、与えられる状況も至極シンプルで、ただシチュエーションから自然な文脈を読み取ってその通りにお膳立てするだけでしかなく、それらはただの穴埋め問題でしかない。
しかしながら、パズルであるか否かはもはやどうでもいいほどに、このゲームはクソゲーである。
とにかく操作性が悪く、目的の動作をするにも一苦労である。丸まる操作が通りにくい、目的の操作が別の操作に化ける、車両の運転がやりにくいなど、とにかくストレスが溜まって仕方がない。その上頻繁に操作がバグる始末で、動作や集合・分離のボタンが表示されない、移動ができなくなるなど、仕様も相まってスムーズなプレイは困難である。
こんなゴミのような操作性でタイミングの見計らいや操作の正確性を問う問題があるのだからやっていられない。
伸びてくる人の手やEDの引きの絵からして実験室の中の箱庭ということらしいが、実験室ならばもう少しまともな環境を用意してほしい。
上から降ってきた煙突でクレーン車が吹っ飛ばされた時は乾いた笑いしか出なかった。こんなのが観測したかったことなのか?