不毛のスクエアフィールド “Isometric Squares”
盤面は大きければ大きいほどいい?問題数は多ければ多いほどいい?
何も考えずにそれを実行してしまえば、後に残るのは不毛な作業でしかない。
正方形の枠内に、与えられた正方形のピースを過不足なく敷き詰めるパズル。さしづめ正方形に制限されたポリオミノパズルといった具合だろうか。
問題自体は50しかないが、最初の数問を除いてそれぞれに5段階の難易度が設定されているのでフルに遊べば250問近くとなる。一つの問題で5段階全てを解ききるとウイニングランとも言える超簡単な難易度のおまけも解禁されるので、それも含めれば全部で300問近くともなる。これが最初から選べないのは設定ミスのような気がするけど……。
5段階それぞれで正方形のピースの大きさと個数のセットが異なり、難易度が上がるほどピースの最大サイズが大きくなると同時に小さいピースの数も少なくなり、調整代がどんどんなくなっていくように設定されている。
プレイ前の印象だと平面だけではなく高さ方向、すなわちZ方向にも制限があるように見えたが実際そんなことはなく、多段に並べられたピースはただ見映えが変わるというだけである。
このパズルにそれ以上のルールは何もない。正方形で正方形を作り続けるというあまりにも地味なパズルだが、見方を変えれば単純明快とも言えるかもしれない。
しかしながらゲームとしての工夫が全くなされていなかったため、このパズルは非常に遊びにくい不毛なものとなってしまっていた。
枠の大きさはレベルの数字と一致している。つまり1×1という舐め腐ったような問題からスタートして、最終的には50×50の大きさにまで拡大していくのだが、盤面のサイズが大きくなればなるほどに画面に映る1マス1マスは小さくなっていく。
好きな場所を選んで自由に拡大縮小することはできるが、当然同時に俯瞰することはできない。無駄にZ軸を設定したせいで、位置を移動しようとしてなぜか高さのパラメータをいじるモードに変わってしまうというアホみたいな誤爆すら起こる始末である。小さいピースは拾いにくくなっていき、特に長さ1のピースはろくに掴めない、思うように置けないと散々である。
盤面の拡大と同時にパズルも順当に難しくなっていくのだが遊びやすさは全くついて来ないため、このパズルは結果的にパズルそのものの難しさと並行して遊びにくさのストレスとも戦う苦行と化していくのである。
単に難しいだけのパズルを作るのは簡単だが、ゲームとして楽しめるものを作るのは途方もなく難しい。何も考えずに作ってしまえば、盤面の広さに比例するのは操作性の悪さと単調さであり、それに伴う作業感の虚しさである。