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パズルゲーム感想アーカイブ

トゥームレイダーの軽業 “Lara Croft GO”

“Tomb Raider” とは、トレジャーハンターのLara Croftとして遺跡探検に臨むアクションアドベンチャーである。
三人称3Dアクションアドベンチャーの先駆けとして後世に多大な影響を残した偉大な名作とのことだが、パズルの奴隷たる無知なマヌケは知る由もない。

Eidos Interactiveの名作を基に生まれた、Square Enix Montréal製パズル・GOシリーズの一つ。
この作品は “Tomb Raider” をモチーフとしている。一歩進むごとに状況が変化する舞台を盤面として、主人公Laraをゴールまで辿り着かせるパズルである。

ターン制のパズルではあるが、盤面の変化のトリガーは主人公の操作によることが多い。盤面の変化が始まれば当然この手のパズル特有のパラメータ合わせに奔走することとなるが、そのためにはどの分かれ道を選びどの順に進むかといったルート選択が重要になる。例えば同じ感圧スイッチでも自分で踏む、敵に踏ませる、物を運んでくる等選択肢は一つではないし、誘導しようにも通り道の崩落などでルートを制限されることもある。
このパズルのレベルデザインの枠組は実は一筆書きパズルに近い。

それゆえか、あるいは元々かはわからないが、このパズルは綺麗なレベルデザインの問題が多い。このパズルにもダミールートは存在するが、ダミー用に作られた分岐や敵も何かしらの形で正解に関与するように組み込まれていて無駄な要素が少ない。ほとんどの要素が一つの枠組の中に丁寧にまとめられているのだ。
残念ながら問題数は決して多くはなく、パラメータの幅の狭さと選択肢の少なさ、盤面のサイズの小ささもあって全体的に難易度は低いが、全ての問題がおしなべて簡単というわけではない。特に炎の洞窟は、レベルデザインの完成度も難易度も、それだけでもやる価値があると思えるほどだった。

ところでこの “Lara Croft” というキャラクターは非常に有名らしいのだけど、パズルの奴隷たるマヌケは “Tomb Raider” 共々さっぱり知らなかった。
だが作中の軽快な身のこなしで躍動する姿は格好よく、クールな女性主人公として人気が出るのも頷ける。
アクションゲームから純粋なパズルゲームへの転身をトゥームレイダーシリーズファンの人がどう思っているのかわからないが、マヌケにもその魅力の片鱗が伝わったという点では悪くない試みだったと言えるのではないだろうか?

関連項目

The GO Trilogy収録作品