m-log
パズルゲーム感想アーカイブ

無計画な二面投影 “.projekt”

一意な解を美しいものとして絶対視する信仰は持ってないけど、そのジャンルを名乗るならば正解は一意であるべきパズルというものはあると思う。

5×5×5の3D空間に、ZX平面とYZ平面への投影図を満たすよう1×1×1のキューブを敷き詰めていくパズル。
キューブは縦または横に伸ばす形で積んでいくため位置を指定して設置することはできないが、削除は見える範囲にあるならば位置を指定して消すことができるので任意の形状を作成できる。
クリア条件は前述の通りだが、条件を満たし得る中でも最小または最大のキューブ数でのクリア、行および列ごとのキューブ数に指定が入ったピクロスモードのクリアとそれぞれ独立した三つのクリア条件が別に実績として用意されている。

見た目にもわかりやすいルールのパズルだが、実際にプレイしてみると何の面白みもないただの作業ゲーである。
一見するとIQテストや適性検査にありがちな空間認識能力を問うパズルに見えるが、XY平面への投影に何の制限もないため、直線的な投影図から平面を作成するという2Dの作業を5回分やっているだけに過ぎず、そこに3Dの感覚は全く必要ない。
そしてXY平面への制限がないがゆえに、このパズルの正解は一意ではない。それはピクロスクリアも例外ではなく、2D平面上のパズルだとしてもルールの不備によって手応えもなければ美しさの欠片もない雑なパズルとなってしまっている。

制作者はなぜ3方向の制限を設けなかったのだろうか?そもそもこの問題と正解を判別するプログラムはどう作られたのだろうか?
パズルとしてあまりにちぐはぐなものだから、勝手な憶測だが別の目的で試験的に作られたものをそのまま流用しただけのように思えてしまう。
真面目にパズルとして作ったものなのだとしたら……それを面白いと判断したそのセンスはマヌケにはちょっと理解できない。

関連項目

同デベロッパーによる他作品の感想アーカイブ