時と共に滑りゆく “The Chronos Principle”
ギミックの形状に既視感が……。
過去の自分の操作のトレースを残すことができる滑る床のパズル。
操作方向を決めると何かにぶつかるまで止まれないという基本的なルールを土台として、このパズルには時を巻き戻すボタンがあり、押すと自機がスタート地点に戻ると共にそれまでの操作を記憶したゴーストが同時に移動し始める。
再生中のゴーストに実体はないが、記憶の再生が終了したゴーストはブロックとして実体化するので、操作の代行以外にも壁として利用することができる。
ゴーストは自機が通った道のりをそっくりそのままなぞるのではなく、あくまで時間経過に沿った操作の履歴を再生するだけなので、障害物の配置が変わっていればゴーストの通る道も変わってしまう。
スイッチによるブロックの切り替えの他にもゴーストだけを通すブロック、自機だけを通すブロックもあるので、時を巻き戻した後に残るゴーストを考慮して操作する必要がある。
残せるゴーストが複数あれば、その分だけ盤面の変化を考慮して逆算しなければならない。
自分が辿った道程と移動のタイミングを覚える必要があるので、やろうと思えばいくらでも複雑にできるだろうが、全編通して簡単だった。
難しくなりすぎないように調整する意図もあったかもしれないが、全体的に単調かつレベルデザインが甘かったので、制作者の手に余っていたのではないだろうか。単に簡単なだけならば無駄な一本道など引く必要はなく、レベルデザインが洗練されていたならばギミックを無視した近道などを許そうはずもないのだ。
悩んで手が止まっていた時間も含めてトレースされるので早送りが欲しかったところ。
可能性は感じるものの、レベルデザイン含めて全体的にぼんやりしたパズルだったように思う。